子どもは群れで育つ

人類の進化適応環境において、母親に子どもが産まれれば、他の幼い子たちは母親ではなく、年上の子どもたちに面倒を見てもらいます。その名残によって年齢の違う子たちが面倒を見合う小社会が形成されます。子どもでも男女ではやる事や役割が違うため、自然と男女別のグループに分かれるようです。

社会動物の人間は何万年もそう進化してきたので、普通に考えれば、子ども間で上手に助けたり助け合ったりする適応能力を身につければ、群の中で生き易くなるのは想像できるでしょう。

何万年にも渡って進化してきた、人の脳と身体に組み込まれた性質は、近年の急激な少子化および核家族化においても、消え去られる訳ではありません。現代の社会システムに人が進化適応するのはまだまだ先のことです。

ならば現代では村がなくなり、核家族化で孤育てしている母親一人が、いくら頑張っても子どもが言うことを聞いてくれないのは当然です。ですから自分を責める必要は全くないのです。子どもが言うことを聞かないのは誰のせいでもなく、人類の進化の摂理だからです。

男の子は親の言うことは聞かなくても、年上のお兄ちゃんの真似をしたり、年上の子の言うことなら聞くというのは、進化適応環境上そうなのですから。

親の言うことを聞いてゲームをやめるよりも、お友達とゲームをして仲間に入る方を選ぶのは、彼らが無意識に生きる術と感じているからです。それでも親にできることはあります。親ができる効果ある教育方法とは、子どもの環境を選ぶことです。

一人っ子の男の子は特に、年齢の違う子どもたちの中にどんどん出して、生きる術を身につける練習をさせた方がいいでしょう。どんなに頭を使っても、どんなに素晴らしい教育方法があっても、どんなに最新情報をたくさん仕入れても、あなたもあなたの子どもも、脳や身体に刷り込まれていることは原始人のままなのです。

©️ランディー由紀子