これまでの経験だと動物たちは怪我をしたり具合が悪かったりすると、ひっそりとじっと静かにしていることが多い。それでなんとなくいつもと違う様子を察知するので、身体をチェックすると傷があった、なんていうことが多々あった。
ハンツはちょっとでも痛いところがあったり、嫌なことがあると我慢できない性分なので、すぐに目で訴えてくるけど、グスタフの様子がおかしいと思ってもなかなか言ってくれない。
ぼくは大丈夫っす。ほんとに全然平気ですから気にしないでください
いや、なんかいつもと違うでしょ。どうしたの?
いや、ほんとに、このくらい平気ですから。我慢しますんで
言葉にするとこんなやり取りがあり、身体をくまなくチェックするとパックリ切れているところがある、というようなことが数回あった。
傷について考えていたら、こんなことが思い出されたのだけど、馬でも傷や怪我や痛みへの反応には個性があるのだから、人間はもっと複雑だと思う。
ただ一つ共通している点は、どんな動物でもどんな人でも、傷には触れられたくない、痛いところは触られたくないという点だと思う。そして傷や痛みを治さずにかばっていたら、バランスが崩れていく。
バランスを崩したまま放っておいたら、他に歪みが出てくる。なので新しい痛みだけでなく古い傷も、意識的にまたは無意識に隠したりかばってきたものでも、傷に向き合って治しておくことは大事なのだと思う。
因みに夫がまだテキサスで面倒を見ている、16才になった犬のジェロニモは、元気だった頃、足を挫くなどの怪我をした時は、部屋の隅に行ってうずくまってた。そういう時は近づくと凶暴になっていた。
怪我をした自分を守ろうとする時、怒る、嘆く、閉じ籠る、我慢して耐える等々、人も色々な傾向があると思う。本当は傷が浅いうちに「助けて」って言えればいいのよね。