沖縄では紫外線で皮膚がボロボロになり、日に日に衰えているのが肉眼で見てとれたグスタフ。ここに来る前は、ラムちゃんに年中噛まれたり蹴られていて、おちおち乾草を食べられなかったので、どんどん痩せていってた。そして、噛まれた傷跡が絶え間なく数箇所あった。
人間の都合の理由は他にもたくさんあったけれど、おそらくグスタフのそうした様子を見ていなければ、これまでにいた場所に、私はもう少し我慢していられたと思う。なのである意味、グスタフは彼の身体を張って、私たちを最適な場所に導いてくれたのだと思っている。
今23歳の高齢のグスタフをまだまだ元気にしてあげたい。ハンツはイケメンだし若いから、自然と人から可愛がられるけど、真面目なだけが取り柄のグスタフくんには、綺麗な馬になっててもらわないと、人から寵愛を受けられなくなる。そんな思いで、グスタフには「綺麗になろうね 綺麗になろうね」とハンツより手をかけてケアしている。
すると昨日山に行った時、あれれ、グスタフの方が随分とハンツより強くなってる。力関係が変わってきたということは、グスタフがまた元気を取り戻してきているのね。身体もふっくらしてきたし、毛艶も良くなっている。
なのでいつもはハンツに乗ってグスタフをポニーしてるけど、今日は役割を逆にして、グスタフに乗ってハンツをポニーして、一人で山に外乗してみた。ハンツをポニーするのは初めてだったので、どうかなあと思いつつも、途中数回2頭一緒に軽速足も出来て、山での一人外乗を攻略できた。
とは言え、ハンツがチョロチョロうるさかった。グスタフの横にいると近くに寄りすぎて、グスタフから怒られるので後ろにまわる。そうするとグスタフのお尻に悪戯しようとしてちょっかい出すものだから、グスタフがイライラするという状態。途中止まって草を食べさせると、そこから動かなくなるとか、全く手がかかるガキンチョだった。
ハンツはそういう性格だから、ある程度は仕方ないかもしれない。でもハンツの良いところは、馬と会話できない、丹田にエネルギーが少ない、頭と心が乖離している人は、ハンツを扱うことはできないというところ。優しいけれど芯のある人しか、ハンツは身体に触らせてくれない、嘘発見器のような馬。
この場合の嘘とは、自分で自分に嘘をついている人のこと。言葉巧みで人間社会で上手くやっている人でも、仮面をかぶって本音と建前をいつも使い分けているような人にハンツは敏感。そういう人に触られると尻尾をバシバシ振るので、とっても分かりやすい。
たかが馬されど馬。