都会の競争社会は、外交的で自分の考えを表現することが上手な人たちや、自分を演出することが上手な人たちには生きやすい世の中かもかもしれません。
社会で上手くやれている人たちを頭に浮かべてみると、そんな共通点があるように思います。
人の世で頭角を現していこうとすると、本当は繊細で優しくて内向的なのに、自分の意見をバンバン言わないと弾き飛ばされてしまうので、本来の自分に仮面を着けて、処世術を身につけ、知らない間に本来の自分と仮面の自分の乖離が生じるということは、小さな社会においてもよくあることではないかと思います。
例えばママ友たちにハブられないように、キラキラグループに合わせて表面を繕ってばかりいるので、一人になった時にどっと疲れるみたいなことは、どのグループに属する場合でもよくあることではないでしょうか。
ところが、馬たちと一緒の時は人は裸になれます。いや裸にされます。
どんなに素晴らしい衣服を身につけていようが、纏っているものを剥がされてしまいます。十二単衣を纏っている人がいても、馬と対峙する時には、言葉が上手、立ち振る舞いに長けている、演技が上手、巧妙で狡賢い等々、人は騙せても、自分自身を騙していても、馬を騙すことはできず一枚一枚服を脱がされていきます。
乗馬クラブでインストラクターにレッスンを受けているだけでなく、それ以上に馬と本当に通じ合いたいのであれば、本当の自分と向き合うことになります。そして本当の自分を学ぶ時は失敗によって学びます。誰でも失敗します。だから学べます。
ただ時々プライドが邪魔をして、着ているものを脱ぎたくない人もいます。そういう人は馬ではなくてオートバイに乗ったらいいと思います。それでしたら心を開かなくても大丈夫です。
